サーフで釣りを楽しむアングラーにとって、「ヒラメも釣りたい」「でも青物もチャンスがあれば狙いたい」という思いは自然なものです。しかし、それぞれのターゲットに最適なロッドは異なり、通常であればロッドを複数本持ち替えるのが理想とされています。
そんな中で2025年にモデルチェンジされた「25ネッサ エクスチューン」は、1本でヒラメからブリまで対応できるという、まさに“万能ロッド”のような存在として登場しました。粘り、パワー、感度、軽量性、そして遠投性能まで、あらゆる要素を高次元で融合したこのロッドが、なぜ多くのアングラーの注目を集めているのか。その理由に迫ります。

25ネッサ エクスチューンは2020年モデルから約5年を経てのモデルチェンジとなります
なぜ「25ネッサ エクスチューン」が注目されているのか?
ヒラメからブリまで対応できる汎用性


「ヒラメ狙いの釣り」と「ブリなど青物狙いの釣り」では、求められるロッド性能が大きく異なります。ヒラメには繊細なティップでのリフト&フォール、ゆっくりしたリトリーブへの追従性が求められ、青物にはパワーと反発力、そしてランディング時の粘りが必要です。
25ネッサ エクスチューンは、ティップからバットにかけての設計バランスが絶妙で、ヒラメ狙いの繊細な操作にも対応しつつ、青物の突っ込みにも耐える強靭さを兼ね備えています。まさに一本で“砂浜の王者たち”を制するロッドと言えるでしょう。
2025年モデルチェンジで進化したポイント


今回のモデルチェンジでは、従来のネッサXTUNEからさらにブランクスの軽量化と高反発化が図られました。シマノ独自の「ハイパワーXコア」と「スパイラルXコア」構造により、ねじれに強く、トルクフルな曲がりを実現。
さらに、「カーボンモノコックグリップ」の採用により、感度が飛躍的に向上しました。ルアーの振動はもちろん、微細なアタリやボトムの変化までもが手元にクリアに伝わってきます。この高感度こそが、ヒラメのショートバイトや青物の食い上げを即座にフッキングへとつなげる決め手になります。
このようなアップデートにより、「軽さ」と「強さ」の両立が図られ、かつてない万能性を手に入れたのが25ネッサ エクスチューンです。
各モデルの特徴とスペック


機種 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | ジグ(g) | プラグ(g) | PE(号) | 価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S100M | 10’0″ | 3.05 | 3 | 106.7 | 170 | 2.3 | MAX 45 | 10-40 | 0.8-2 | 72,000円 |
S1010M+ | 10’10” | 3.30 | 3 | 114.9 | 190 | 2.1 | MAX 50 | 12-45 | 0.8-2 | 75,000円 |
S110M/MH | 11’0″ | 3.35 | 3 | 116.8 | 191 | 2.2 | MAX 58 | 12-54 | 0.8-2 | 76,000円 |
S108MH | 10’8″ | 3.25 | 3 | 113.3 | 184 | 2.3 | MAX 58 | 12-58 | 0.8-2 | 75,000円 |
S110MH+ | 11’0″ | 3.35 | 3 | 116.8 | 192 | 2.4 | MAX 68 | 12-62 | 1-2.5 | 77,000円 |
S100M|ヒラメ狙いに最適な軽快オールラウンダー
S100Mは、操作性と遠投性能を高次元で両立したスタンダードモデルです。10ftという扱いやすい長さで、シンペンやミノーの繊細な操作が可能。ヒラメ・マゴチといったフラットフィッシュ狙いに最適で、感度も抜群。初心者〜中級者のメインロッドとしてもおすすめです。
主なスペック
・全長:10’0″(3.05m)/継数:3本/仕舞:106.7cm
・自重:170g/ジグ:MAX 45g/プラグ:10〜40g
・適合PE:0.8〜2号
S1010M+|遠浅サーフ攻略のロングキャスター
S1010M+は、10.10ftのロングレングスが生む圧倒的な遠投力が魅力。軽量ルアーから40gクラスのメタルジグまで幅広く対応し、広範囲を探るのに最適です。沖のブレイクや潮目に届かせたいヒラメ狙いや、沖のナブラ撃ちにも活躍します。
主なスペック
・全長:10’10″(3.30m)/継数:3本/仕舞:114.9cm
・自重:190g/ジグ:MAX 50g/プラグ:12〜45g
・適合PE:0.8〜2号
S110M/MH|操作性とパワーの二刀流モデル
S110M/MHは、繊細なティップとパワフルなバットを兼ね備えた万能型。ヒラメの小さなバイトも拾いつつ、青物とのファイトにも対応できる懐の深さが特徴です。リフト力にも優れ、サーフ全般に幅広く使える信頼の1本です。
主なスペック
・全長:11’0″(3.35m)/継数:3本/仕舞:116.8cm
・自重:191g/ジグ:MAX 58g/プラグ:12〜54g
・適合PE:0.8〜2号
S108MH|青物対応の強靭バーサタイル


S108MHは、やや強めのMHパワー設計で、ヒラメはもちろんブリ・ワラサなどの大型青物まで視野に入れたパワーモデル。10.8ftという長さも遠投と操作性のバランスが良く、ショアジギング要素を取り入れた釣りにも最適です。
主なスペック
・全長:10’8″(3.25m)/継数:3本/仕舞:113.3cm
・自重:184g/ジグ:MAX 58g/プラグ:12〜58g
・適合PE:0.8〜2号
S110MH+|青物完全対応のハイパワーモデル
S110MH+は、シリーズ中もっとも強靭な設計で、サーフからの大型青物狙いに特化した1本。11ftの長さと粘り強いブランクスで、重めのルアーも振り切れる遠投性能を誇ります。ヒラメ狙いにも使える繊細さも残しており、シリーズ最高峰の万能モデルです。
主なスペック
・全長:11’0″(3.35m)/継数:3本/仕舞:116.8cm
・自重:192g/ジグ:MAX 68g/プラグ:12〜62g
・適合PE:1〜2.5号
インプレ!25ネッサ エクスチューンで狙った3つの魚種


シマノのプロスタッフのインプレを参考に、25ネッサ エクスチューンの実釣性能を魚種ごとにご紹介します。
ヒラメ攻略|繊細なアタリも確実に伝える感度
ヒラメ狙いでは、シンキングペンシルやフローティングミノーをスローに引いてくる場面が多く、ティップのしなやかさと感度が重要になります。25ネッサ エクスチューンは、柔らかすぎず、張りすぎない絶妙なティップセクションにより、ルアーが潮を掴む感覚や、砂地の変化をしっかりと伝えてくれます。
実際に筆者がフラットなサーフで使用した際、ボトムから浮き上がる瞬間の「コンッ」という小さなバイトも明確に手元に伝わり、即座にアワセへ持ち込むことができました。まさに高感度が活きるシーンで、釣果をしっかり支えてくれるロッドだと実感しました。
マゴチ・フラットフィッシュ|軽さが生む操作性の高さ
リフト&フォールを繰り返す釣りでは、ロッドの軽さがアングラーの集中力に直結します。25ネッサ エクスチューンは長尺(10ft以上)でありながら圧倒的に軽く、長時間のジャークやロッドアクションでも疲労感が圧倒的に少ないです。
マゴチ狙いの釣行では、10g〜20g程度のジグヘッド+ワームでもしっかりと飛距離が出せ、細かいアクションにもしっかり反応してくれる操作性の高さを体感できました。手元にしっくりくるバランスと軽さが、繊細な釣りにおいてもストレスを感じさせません。
青物(ワラサ・ブリ)|ランディングまで安心のパワー設計
青物が掛かった瞬間に本領を発揮するのが、このロッドの「バットパワー」です。40g以上のジグでも余裕を持ってフルキャストでき、ファイト時には胴からしっかり曲がりつつ、主導権を奪われない粘りを見せてくれます。
堀田氏も動画の中で「80m先で掛けても、確実にフッキングを決められる反発力とトルクがある」と語っており、細身の見た目からは想像できないほどの剛性を備えていることがわかります。
サーフにおける「思い通りの操作性」が武器になる


プロスタッフのコメントによれば、「ヒラメ狙いで使うルアーの操作感が、非常にクリアに伝わってくる」とのこと。ルアーが今どう動いているか、どの層を引いているのかをイメージしやすく、アングラーの思い描く展開にしっかりと追従してくれます。
また、流れの中でルアーが持ち上がるような状況でも、ロッドがすぐに挙動を察知して補正しやすく、「思い通りのレンジキープ」が可能。まさに、操作精度においては従来モデルよりも一段階上の完成度といえます。
飛距離性能が釣果を変える
特に注目したいのが、ルアーの飛距離に関するインプレです。エアロフローガイドや軽量ブランクスの恩恵により、「キャスト時の収束が早く、ブレのないきれいな弾道で飛んでいく」と高評価。
これにより、ヒラメの付き場である遠浅のブレイクラインを余裕で攻略できるだけでなく、青物が回遊してくる沖の潮目までルアーを届けられるのは大きな武器になります。
ファイト中の安心感は「粘り」で決まる
ヒラメやマゴチの繊細なバイトを乗せる柔軟さと、青物の突っ込みを止める剛性。この相反する性能を、ネッサ エクスチューンは両立しています。
プロインプレでは、「ロッド全体でしっかり魚をいなしてくれるため、無理なやり取りをしなくても魚が浮いてくる」とのコメントがありました。これは、ロッドの粘り強さと復元力のバランスが非常に良い証です。
実釣において、安心してファイトに集中できるというのは大きな利点。特に青物のような突発的な力に対して、ロッドを信頼して身を任せられる感覚は、一度味わうと手放せません。
22ネッサBBと21XR、そして25エクスチューンの違いとは?


22ネッサBB:これから始める人に最適なエントリーモデル
ネッサBBは、ネッサシリーズの中で最もリーズナブルなモデルで、「サーフゲームをこれから始めたい」アングラーにぴったりの1本です。
とはいえ、安価だからといって性能が低いわけではなく、シマノ独自のハイパワーX構造やCI4+素材を採用し、ねじれやブレに強く、感度や軽さも十分。特に軽量ルアーの操作性に優れ、細かいレンジ操作や軽快なキャストフィールが初心者でも体感しやすい設計になっています。
扱いやすさを重視した柔らかめの設計で、魚とのやり取りでもロッド全体でしなやかに受け止めてくれる安心感があります。まさに「最初の1本」として申し分ない性能です。
21ネッサXR:操作性・感度・パワーを高次元で両立
ネッサXRは、ネッサBBのワンランク上に位置する中級者向けモデルで、サーフ経験が増えてきたアングラーに向けた「ステップアップロッド」といえます。
BBには搭載されていない「スパイラルXコア」や「カーボンモノコックグリップ」など、より上位の技術が惜しみなく投入されており、感度・軽さ・パワーすべてが大幅にアップしています。
特に、サーフ特有の遠投シーンや青物とのパワーファイトでも安心して使える剛性が魅力。さらに、繊細なルアー操作にも対応する高い操作性で、ヒラメやマゴチ狙いにも抜群の適応力を発揮します。
実釣においては、「ルアーがボトムに当たった感触」や「潮の変化」などが手元にしっかり伝わってくるレベルの高感度性能が印象的。BBでは物足りなさを感じていた方にこそ使ってほしい1本です。
25ネッサ エクスチューン:シリーズ最高クラスの万能ハイエンド
ネッサ エクスチューンは、ネッサシリーズの中で最もバランスに優れたハイエンドモデル。
「ヒラメからブリまで1本でこなしたい」というアングラーにとって、これ以上ない万能ロッドです。
ナノピッチ+スパイラルXコアによる高強度・高反発のブランクス、Gクロスプロテクターによる継ぎ目の強化など、あらゆる機能が高水準でまとまっており、まさに「全部乗せモデル」。
キャスト時の収束が早く、ピタッと決まる弾道の美しさや、操作時の軽快さは使った瞬間に違いが分かります。ルアーの挙動や潮の変化も明確に感じられるため、ベテランアングラーでも納得の高感度です。
「粘りがありつつ、トルクで勝負できる」ロッドなので、不意の青物にも余裕で対応可能。ヒラメだけでなく、大型のターゲットとも安心してファイトできます。
比較表で見る3モデルの違い
モデル | 対象アングラー | 感度 | パワー | 操作性 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
ネッサBB | 初心者 | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | コスパ最高・入門に最適 |
ネッサXR | 中級者 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | 操作性と感度の両立・青物もOK |
ネッサエクスチューン | 上級者・本気派 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | 万能性と快適性の極み |
このように、ネッサシリーズはアングラーのスキルや釣行スタイルに応じて選べる豊富なラインナップが魅力です。
「最初の1本」はBB、「次の1本」はXR、「最後に選びたい本命」がエクスチューンと覚えておくと選びやすいでしょう。
25ネッサエクスチューンはどんなアングラーにおすすめか?


サーフゲームに本気で取り組みたい中〜上級者
25ネッサ エクスチューンは、ただの“高性能ロッド”ではなく、“結果を出すためのロッド”です。特に、サーフでの釣果にこだわり、ルアー操作やアタリの取り方に対して繊細な感覚を求める中〜上級者のアングラーには、このロッドの真価が強く刺さるはずです。
ベテランほど、軽さ・感度・トルクのバランスがもたらす「釣りの快適さ」や「集中力の持続」の重要性を理解しており、その点でこのロッドは非常に高く評価されるでしょう。
1本でいろんな魚種を狙いたい欲張り派
「ヒラメも釣りたいけど、ナブラが立てば青物も狙いたい」
「サーフゲームをこれから極めたいけど、まずは1本で対応したい」
こういった欲張りなアングラーにも、25ネッサ エクスチューンは最適です。ルアーウェイトの対応幅も広く、スローな誘いからジャークまで幅広いアクションに応えてくれるため、状況変化に柔軟に対応できます。
釣行先の情報が限られていたり、何が出るか分からないような状況にも強く、まさに「1本で成立させる万能型ロッド」と言えます。
繊細かつ大胆な操作性を求めるアングラー
「しなやかに誘って、ガツンと掛ける」
25ネッサ エクスチューンは、そんな釣りを実現してくれるロッドです。柔と剛を絶妙に共存させた設計は、ルアーの微妙な挙動や潮の変化も捉えつつ、大型魚とのファイトでもしっかり主導権を握れます。
そのため、ただ“硬い・強い”ロッドでは満足できない、操作性重視のアングラーにも非常に高い満足度をもたらすでしょう。
まとめ


25ネッサ エクスチューンは、サーフゲームにおける「軽さ」「感度」「粘り強さ」「遠投性能」のすべてを高水準で備えた、まさに本気のアングラーのための1本です。
ヒラメやマゴチといった繊細なターゲットはもちろん、突発的に現れるブリやワラサのような青物にも十分対応可能なパワーを持ち合わせており、1本であらゆる状況に対応できる汎用性が最大の魅力です。特に、ルアー操作時のレスポンスやファイト中の安心感は実釣の中で強く実感でき、使い込むほどに信頼が深まっていきます。
サーフでの釣りにおいて“道具にストレスを感じたくない”という方には、ネッサ エクスチューンは確実にその期待に応えてくれるはずです。快適性と釣果を同時に求めるなら、このロッドを選ばない理由はありません。
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