夜の海を照らすように輝く新たなルアーが、ついにメバルゲームの世界にも訪れました。ダイワの新技術「レーザーインパクト」を搭載したメバリングプラグ月下美人「夜霧(よぎり)」と「つゆかぜ」です。
これまでシーバス用ルアーで注目を集めていたこの反射技術が、ナイトゲームのメバリング用プラグに搭載されたことは、まさに“光”がテーマの新時代の幕開けと言えるでしょう。この記事では、レーザーインパクトのテクノロジーの仕組みから、「夜霧」「つゆかぜ」に与える実釣性能の変化まで徹底解説していきます。

もちろん、ほとんどアピールしないようなプラグが良い場合もありますが、ギラっと光るこのレーザーインパクトも魅力的です
月下美人シリーズの魅力と進化の系譜


「月下美人」はダイワのライトソルト専用ブランドです。アジやメバルなど、繊細なターゲットを相手に「感度」「視認性」「アピール力」を高次元で融合させた様々なアイテムで長年多くのアングラーに支持されてきました。
中でも「夜霧」と「つゆかぜ」は、メバリングシーンにおける代表的なプラグ。夜霧は安定した飛距離とデッドスローでも破綻しないアクション、つゆかぜは空気抵抗を抑えたスリムボディによる遠投性能とナチュラルな波動が持ち味のルアー。
そして今回、この両モデルに「光」という新たな武器「レーザーインパクト」が加わったことで、月下美人シリーズはさらなる進化を遂げました。
レーザーインパクトとは何か?


レーザーインパクトとは、ダイワが独自に開発した「3Dマルチ反射構造」による新しい光反射技術です。これは、単に表面にホログラムフィルムを貼り付けるものではなく、構造そのものが光を多方向に反射させる仕組みを持っています。従来のホログラムのように反射角度が一定ではなく、わずかな光をあらゆる方向に散らすことで、魚が見る角度を問わず自然な輝きを再現します。
この技術は「イワシなどのベイトフィッシュと同様の高輝度反射光を多方向に放ち、泳いでいる時の反射光の明滅まで再現する」とされています。つまり、魚が見慣れた“自然なベイトの光”を水中で演出できるというわけです。
レーザーインパクトは、ルアーボディ内部に配置されたピラミッド型の多面体構造により、高輝度かつ多方向への反射を実現する技術です。極めて滑らかな金型仕上げと透明感のある成型処理により、入射光を同方向に返す「再帰性反射」と、ボディ内部で反射させる「鏡面反射」を同時に発生。内部に数百個配置された多面体が約1000枚の反射鏡のように機能し、見る角度によって光が明滅。ベイトフィッシュがギラリと光るようなリアルな煌めきを再現します。
夜霧LI(レーザーインパクト)のインプレ


月下美人シリーズの中でも特に信頼性が高い「夜霧(YOGIRI)」に、ついにレーザーインパクトが搭載されました。従来モデルは、安定した飛距離とスローリトリーブでも破綻しないアクションが魅力でしたが、今回のアップデートでは“光の質”そのものが大きく進化しています。
安定した飛距離とレスポンスの両立


夜霧は、「固定重心構造」を採用。キャスト時の安定した飛行姿勢と、着水後のレスポンス性を両立しています。特に42Sモデル(シンキング)は、フローティングモデルよりも遠投性能が高く、常夜灯の外側や沖の潮目を攻略する際にも安定したスイム姿勢を維持します。カーブフォール時にはゆらゆらと揺れながら沈み、レーザーインパクトの多方向反射が“生きているベイト”のような明滅を演出。わずかな光源でも魚にアピールできるという特性が、夜間やマヅメ時の釣果アップに直結します。
光の“見え方”が変わる:自然なアピールとスレ対策
夜霧レーザーインパクト搭載モデルでは、ギラッと明滅しながらも夜間の少ない光をにじむように反射、プレッシャーの高い常夜灯下でもスレたメバルに違和感を与えにくく、光が弱い場所でも魚が反応しやすくなるなどのメリットがあります。これは3Dマルチ反射構造によって“全方向に光が散る”ため、魚の位置や角度に依存せずに自然な反射を見せられることが理由です。
フローティングとシンキングの使い分け


夜霧レーザーインパクトには、
- 42F-LI(フローティング):デッドスローリトリーブで表層を漂わせるタイプ
- 42S-LI(シンキング):広範囲を効率的に探れる沈下タイプ
の2タイプがあります。フローティングモデルは、イカパターンや表層ベイトパターンに強く、“ほっとけメソッド”にも対応。一方、シンキングモデルは、潮流や風のある状況でも安定し、フォール中の光の揺らめきでバイトを誘発します。同じルアーでも光とアクションのコンビネーションでレンジごとの攻略が可能です。
夜霧LIの動画
夜霧カラーラインナップ(共通カラー・全5色)
カラー名 | 特徴・イメージ |
---|---|
LIサンドチャート | 濁り潮や常夜灯下での視認性が高い万能チャート系。光を柔らかく反射。 |
LIマックスレーザー | 最もレーザーインパクトの輝きを感じられる強フラッシング系。光量のある場面に最適。 |
LIピンクバックグローベリー | アピール力と視認性を兼ね備えたピンク×グロー。マヅメ・ナイト両対応。 |
LIマーブル | ベイトライクなナチュラルカラー。どんな状況でも自然な反射を演出。 |
LIイワシ | 魚の鱗のようなリアル反射。クリアウォーターでの喰わせに最適。 |
モデル名 | サイズ | 重量 | タイプ | フック | 価格(税抜) |
---|---|---|---|---|---|
夜霧 42F-LI | 42mm | 2.7g | フローティング | #14 | ¥1,400 |
夜霧 42S-LI | 42mm | 3.9g | シンキング | #14 | ¥1,400 |
つゆかぜLI(レーザーインパクト)のインプレ


「つゆかぜ(TSUYUKAZE)」レーザーインパクトモデル。こちらは、夜霧と異なりスリムシルエットの設計の遠投型シンキングペンシル。50mmという小粒サイズながら、空気抵抗を抑えた設計で“ぶっ飛び性能”を実現しています。特に風の強い状況や表層レンジ攻略に強いモデルです。
沖のデカメバルを狙う遠投性能


つゆかぜレーザーインパクトは、ボディ内部に可能な限りウエイトを配置しつつも、アクションを損なわないギリギリの重心設計を採用しています。さらに、テールを細く絞り込むことで空気抵抗を軽減し、安定した飛行姿勢を実現。これまで届かなかった沖のポイントまで、安定してアプローチできる性能を持っています。
2WAYアクションと光のシンクロ効果


つゆかぜレーザーインパクトは、リトリーブスピードでアクションが変化する2WAY設計です。
- スローリトリーブ時:ハイピッチロールとフラッシングによる食わせの動き
- ファストリトリーブ時:ロールによる広範囲アピール
ここにレーザーインパクトの光反射が加わることで、速度に応じた光の明滅変化が自然に起こります。特にスローリトリーブ時は「水中でギラッと明滅するような柔らかい光」が発生し、プレッシャーの高いメバルにも口を使わせます。
つゆかぜLIの公式動画
つゆかぜ カラーラインナップ(全5色)
カラー名 | 特徴・イメージ |
---|---|
LIサンドチャート | 視認性と安定感を両立。常夜灯下のベースカラー。 |
LIマックスレーザー | 最強の反射強度を誇るハイアピール系。デイ〜ナイト問わず目立つ。 |
LIピンクバックグローベリー | 食わせとアピールを両立する万能カラー。濁り時に特に有効。 |
LIマーブル | 柔らかい光とナチュラル感を兼ね備え、スレた魚に強い。 |
LIイワシ | 実際のベイトを模したリアルカラー。クリアウォーター対応。 |
モデル名 | サイズ | 重量 | タイプ | フック | 価格(税抜) |
---|---|---|---|---|---|
つゆかぜ 50S-LI | 50mm | 4.8g | シンキング | #12 | ¥1,450 |
つゆかぜ 50SS-LI | 50mm | 4.4g | スローシンキング | #12 | ¥1,450 |
レーザーインパクト搭載モデルを使いこなす3つのテクニック
レーザーインパクトは、単なる「光るホログラム」ではありません。水中での光の広がり方や、アクションとの同期によって魚に自然な生命感を伝える“動的反射技術”です。その効果を最大限に引き出すためには、アングラー側の意識と操作が重要になります。
① 光量と水質を見極めたカラーセレクト
レーザーインパクトは光を多方向に拡散させるため、光量と水質に応じたカラー選択が重要です。同じモデルでも環境によって反射の見え方が大きく変わります。
常夜灯下・クリアウォーター
→ 「LIサンドチャート」や「LIマーブル」
柔らかい光を自然に反射し、ギラつきすぎない。明暗の境界で魚に違和感を与えません。
月明かりの夜・薄濁りの潮
→ 「LIイワシ」や「LIマックスレーザー」
反射光がやや強く、広範囲にアピール。レーザーインパクトの多方向反射がより活きます。
曇天・無灯の磯場
→ 「LIピンクバックグローベリー」
拡散光に加えて視覚的コントラストを与え、魚に気づかせるトリガー効果を発揮。
② ナイトゲームではレンジキープが命
レーザーインパクトの光は、水中で“点ではなく面”として広がります。しかし、レンジがブレてしまうと光の反射角が変わり、アピールが安定しません。特に夜霧やつゆかぜのような浮き上がりやすいプラグでは、レンジキープの意識が釣果を左右します。
③ 光の「強弱ローテーション」でスレ対策
ナイトゲームでは、光の質を変えることで魚の反応を探ることが可能。同じルアーでも、「通常モデル」と「レーザーインパクトモデル」をローテーションすることで、光の強弱差による再アプローチができます。
たとえば、下記など
- 通常カラーの夜霧で魚の存在を探る
- 当たりが遠のいたり反応が無ければレーザーインパクトモデルへ変更
- 表層レンジではつゆかぜレーザーインパクトでナチュラル演出
タックルセッティングの例


レーザーインパクトの性能を最大限引き出すためには、タックルバランスも重要です。
- ロッド:月下美人 EX AGS 76ML-T
- リール:2000番〜2500番クラス
- ライン:PE0.3号〜0.4号
- リーダー:フロロカーボン8lb(2号)前後
- スナップ:ライトゲーム用スナップ
- ルアー
- 夜霧42F-LI(スロー巻き、ドリフト気味に流す、ほっとけメソッドなど)
- つゆかぜ50S-LI(ただ巻き:超遅〜速め、フォールさせる)
まとめ
月下美人シリーズは、レーザーインパクトによって新たなステージへ進みました。夜霧は、光と波動のバランスで中層を制し、つゆかぜは、微光の揺らぎで表層を攻略する。どちらも、これまでのメバルプラグの常識を超えた“自然な輝き”で魚を魅了します。そして何より、夜の海でルアーがまるで月明かりを纏うように光るその瞬間、アングラーは光で誘うという感覚的な楽しさを体験できるでしょう。次に夜霧やつゆかぜを手に取るとき、ぜひ光を意識して投げてみてください。あなたのルアーが描く“輝き”が、メバルのバイトを誘う瞬間になるはずです。
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