エギングとは、エギと呼ばれるルアーを使ってアオリイカを狙う釣りのことです。手軽に始められる上に、ゲーム性が高く、初心者でも釣果を上げやすいことから人気があります。特に、秋は小型のアオリイカが浅場に集まり、初心者でも釣りやすいシーズンとされています。
エギングの魅力は、エギの操作によってイカを誘い、自らのアクションで釣れる実感を味わえることです。また、ロッドやリールも比較的軽く、長時間の釣行でも疲れにくい点も魅力のひとつです。これからエギングを始める方は、まずは基本のタックル選びとシャクリのテクニックをマスターすることが重要です。
エギングの基本タックル
エギングには、専用のロッド・リール・ライン・エギ(ルアー)を使用します。これらは他の釣りとは異なり、エギングに適した設計がされているため、最初から専用のものを選ぶと快適に釣りができます。
ロッド選びのポイント(長さ・硬さ・価格帯)
エギングロッドは、8ft(約2.4m)前後の長さが一般的です。初心者には、以下のようなスペックのロッドが扱いやすいでしょう。
- 長さ:8.0ft~8.6ft(操作性と飛距離のバランスが良い)
- 硬さ(パワー):ML(ミディアムライト)~M(ミディアム)
- 価格帯:1万円前後から購入可能
あまり短すぎると飛距離が出にくく、逆に長すぎると操作が難しくなるため、標準的な長さを選ぶのがおすすめです。
リールの選び方(スピニングリールがおすすめ)
エギングには、2500番~3000番のスピニングリールが適しています。特に、軽量でドラグ性能の良いモデルを選ぶと快適に釣りができます。
- 初心者向けのリールのポイント
- 軽量でバランスが良いもの(250g以下が理想)
- ドラグ性能がスムーズなもの(イカの引きに対応できる)
- ギア比はハイギア(HG)またはノーマルギア(標準的な巻き取り速度)
リールの価格帯は5,000円~15,000円程度で、ダイワやシマノのエギング専用モデルを選ぶと失敗が少ないです。

PEラインとリーダーの選び方
エギングでは、細いラインを使うことでエギの動きをナチュラルに演出し、飛距離を伸ばすことができます。
- PEライン:0.6号~0.8号(遠投性と感度を重視)
- リーダー:フロロカーボン2.0号(擦れに強い)
PEラインは細いほど飛距離が出ますが、トラブルを避けるためにも0.8号が初心者にはおすすめです。リーダーの長さは1m~1.5m程度を目安にしましょう。
初心者におすすめのエギ(サイズ・カラー・種類)
エギはサイズとカラーが豊富で、釣果を左右する重要な要素です。
- サイズ:3.0号~3.5号(オールラウンドに使いやすい)
- カラー:
- デイゲーム:オレンジ、ピンク(視認性が良い)
- ナイトゲーム:ブルー、パープル(シルエットがはっきりする)
- 濁り潮:ゴールド系(アピール力が強い)
- クリアな海:ナチュラル系(ブルー、グリーン)
エギの動きはアオリイカを誘う大きな要素なので、最初はベーシックなカラーを揃え、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
エギングの基本動作をマスターしよう

エギングはルアーフィッシングの一種であり、ロッドアクションによってエギ(ルアー)を操作し、アオリイカを誘う釣りです。そのため、エギの動かし方が釣果を大きく左右します。ここでは、エギングの基本動作や初心者向けのシャクリのコツを解説します。
基本動作「シャクリ」とは?
「シャクリ」とは、ロッドを上下に動かしてエギを跳ねさせる動作のことです。このアクションにより、エギが生きたエビや小魚のように見え、アオリイカを誘うことができます。
シャクリにはいくつかのパターンがありますが、初心者でも扱いやすいものから覚えていきましょう。
初心者向けの簡単シャクリ術(1回シャクリ、2段シャクリなど)
初心者が最初に覚えやすいシャクリの方法として、以下の3つを紹介します。
- シングルシャクリ(基本中の基本)
- ロッドを軽く1回しゃくり上げる
- エギが1回大きく跳ね上がる
- その後、テンションフォールでアオリイカに抱かせる
- 2段シャクリ(エギをリズミカルに動かす)
- ロッドを2回連続でシャクる(間隔は短め)
- 2回のシャクリでエギがより目立つ動きをする
- フォールを長めにとるとアオリイカが抱きやすい
- スラックジャーク(ラインをたるませながらシャクる)
- ラインをたるませた状態でロッドを煽る
- エギが左右にダートしやすくなり、自然な動きを演出できる
- アオリイカが違和感なく抱きやすい
最初のうちは、無理に複雑なアクションをせず、1回シャクリとフォールを意識するだけでも十分に釣果を上げることができます。
エギの動かし方のコツ(ナチュラルに見せるテクニック)
エギングでは、いかにエギを自然に見せるかが重要です。以下のポイントを意識すると、エギの動きがより自然になります。
- 力強くシャクリすぎない(不自然な動きになる)
- フォール時にしっかりと間を取る(イカが抱くタイミングを作る)
- シャクリの強弱を変えて変化をつける(イカに違和感を与えない)
特にフォール中にアオリイカはエギにアタックするため、フォールの姿勢が安定するように意識するのが大切です。
フォールが超重要!アオリイカが抱きつくタイミング
シャクリでエギを動かした後、エギが沈む「フォール」の時間が最も重要な時間です。この時にイカがエギを抱くので、フォールを意識した釣りを心掛けましょう。
フォールには以下の2種類があります。
- テンションフォール(ラインを張りながら沈める)
- ラインを軽く張りながらフォールさせる
- アタリをダイレクトに感じやすい
- 風が強い時や潮が速い時におすすめ
- フリーフォール(ラインをたるませて沈める)
- エギが自然な姿勢でフォールする
- ふわっとした動きになり、ナチュラルにイカを誘う
- イカが違和感なく抱きやすい
イカのアタリは「ラインがふわっと止まる」「スーッと横に動く」など、非常に微妙な変化で出ることが多いため、フォール中のラインの動きをしっかり観察することが大切です。
釣果を上げるための実践テクニック
エギングでは、ただシャクるだけでは釣果が伸びません。釣れる時間帯やポイントを意識し、イカの習性を考えた釣り方をすることで、より多くのアオリイカを釣ることができます。
時期・時間帯によるエギングの狙い目
アオリイカは季節ごとに釣れるサイズや行動パターンが異なります。
- 春(3月~5月):大型の親イカ狙い(深場がポイント)
- 夏(6月~8月):釣果は落ちるが、小型のイカがいることも
- 秋(9月~11月):数釣りシーズン(港周辺の浅場が狙い目)
- 冬(12月~2月):釣りづらいが大型が釣れることも
初心者にはアオリイカの数が多く活性が高い秋(9月~11月)が最適な時期です。また、朝マズメ(夜明け前後)と夕マズメ(日没前後)が最も釣れやすい時間帯です。
釣れるポイントの探し方(堤防・磯・港の特徴)
エギングでは釣れるポイント選びも重要です。
- 堤防:初心者におすすめ。水深があり、回遊イカが狙える。
- 磯場:上級者向け。大型のイカが狙えるが足場が悪い。
- 漁港・港湾:安定した釣果が期待できるがプレッシャーが高め。
特に初心者は、堤防や港湾部の潮通しの良い場所を狙うのがおすすめです。
潮や風を考慮したエギング戦略
- 潮の流れがある場所が狙い目(エサが流れてきやすい)
- 風が強いときは軽めのエギにする(シャクりやすくするため)
- 潮が動かない時間はアタリが少ない(潮の動きを意識する)
釣れない時は、ポイントを変える、エギのカラーを変える、シャクリのリズムを変えるなど、試行錯誤することが大切です。
実釣時のコツや注意点
ここからは、実際の釣り場でのエギングの流れや、釣れた後の取り込み方、さらにマナーについて解説していきます。
実際の釣り場での流れ(キャスト→シャクリ→フォール→アタリ)
エギングの基本的な釣りの流れを確認しましょう。
- キャスト(エギを投げる)
- 足元からキャストし、徐々に探る範囲を広げる
- 風が強い場合は低めの軌道で投げると安定しやすい
- 着底を確認
- エギがボトム(海底)に着くまで待つ(数秒から数十秒とポイントによって異なる)
- ラインがふけたら(たるんだら)着底の合図
- シャクリ(エギを動かす)
- 基本的なシャクリ(シングルシャクリ、2段シャクリ)を行う
- 1回のシャクリごとにエギがしっかりと動くように意識
- フォール(エギを沈める)
- テンションフォール or フリーフォールでイカを誘う
- フォール中にラインが不自然に止まったらアタリの可能性
- アタリがあったらフッキング(合わせ)
- イカのアタリを感じたら、ロッドを軽く煽ってフッキング
- 強く合わせすぎるとイカの身切れする場合があるので注意
- リールを巻いてイカを寄せる
- 無理に引っ張らず、一定のテンションを保ちながら巻く
- 取り込み(ランディング)
- タモ(網)があれば使用し、安全に取り込む
- イカのジェット噴射(墨を吐く動き)に注意
アオリイカが抱いたらどうする?フッキングのコツ
エギングでは、アオリイカがエギを抱いたときに適切なタイミングでフッキング(アワセ)を行うことが重要です。しかし、状況によって最適なフッキングのタイミングが異なります。以下のポイントを意識すると、フッキングの成功率が上がります。
フッキングのタイミングの基本
- ラインがスーッと横に動く → イカがエギを持って移動しているサイン → すぐにフッキング
- ラインがピタッと止まる → フォール中にイカが抱いている可能性大 → 少し間を取ってフッキング
- ロッドに重みを感じる → すでにしっかり抱いている場合が多い → ゆっくり煽るようにフッキング
フッキングのタイミングの違い(季節・サイズ別)
アオリイカのサイズや活性によって、フッキングのタイミングを変えると成功率が上がります。
- 秋(9月~11月)の小型イカ狙い
- 小型のイカはエギを抱いた瞬間に移動することが多い。
- 即フッキング(素早く合わせる)でOK。
- 迷っているとエギを離してしまうことがあるので、アタリを感じたらすぐに合わせる。
- 春(3月~6月)の親イカ(大型)狙い
- 大型のイカは警戒心が強く、エギをじっくり抱く傾向がある。
- 少し間を取ってフッキング(1~2秒待ってから合わせる)。
- 早すぎるとフックがかかりにくく、逆に離してしまう可能性がある。
フッキング後の注意点
- 無理に巻かない(イカがジェット噴射を使うタイミングを考慮)
- 一定のテンションを保つ(急に緩めるとバレやすい)
- フックが外れやすい個体に注意(特にシャローエリアの小型イカは抱きが浅いことが多い)
状況に応じたフッキングを意識することで、アオリイカのキャッチ率を上げることができます!
まとめ
エギングは、初心者でも始めやすく、ゲーム性が高い釣りです。基本のタックル(エギングロッド・スピニングリール・PEライン)を揃え、シンプルなシャクリとフォールのテクニックを習得することで、釣果を上げることができます。
特に、秋は小型のアオリイカが浅場に集まりやすく、初心者に最適なシーズンです。釣れる時間帯(朝マズメ・夕マズメ)や潮の流れを意識しながら、状況に応じたエギのカラーやアクションを使い分けましょう。
また、釣れた後の適切な処理や釣り場のマナーも重要です。安全に楽しくエギングを続けるためにも、基本を押さえつつ、自分なりの工夫を加えて釣果アップを目指しましょう!

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