泳がせ釣り(ノマセ釣り)は、生きた小魚をエサにして青物やヒラメなどの大物を狙う夢のある釣り。敷居が高そうに感じるかもしれませんが、実は仕掛けや釣り方自体はとてもシンプルで、初心者にも十分チャレンジ可能なジャンルです。
釣れる魚は大型でパワーもあり、ファイトのスリルは他の釣りとは一線を画します。その分、しっかりしたタックルが必要になりますが、今回ご紹介する竿を選べば、初めてでも安心して大物との勝負が楽しめます。
本記事では、初心者が泳がせ釣りを始めるにあたって「どんな竿を選べば良いか」「代用は可能なのか」といった疑問にお答えしながら、実際に泳がせ釣りのおすすめ竿などもご紹介していきます。

泳がせ釣りに使う竿は「なんでもOK」じゃない!

釣具店に行くと多くの種類の釣り竿が並んでいます。中には「万能ロッド」「エントリーモデル」と書かれている竿もありますが、何でも良い訳ではありません。
その理由は、泳がせ釣りで狙うターゲットが「青物」など引きが非常に強い魚だからです。こういった魚に対して、柔らかすぎる竿やパワー不足の竿を使ってしまうと、ファイト中に竿が折れてしまったり、魚を浮かせられずにバラしてしまうこともあります。
「手持ちの竿でなんとかならないか?」と考えがちですが、竿が原因で釣果が出ないと、釣り自体がつまらなくなってしまうことも。初めから泳がせ釣りに適した竿を1本持っておくことで、安心して釣りに集中できるのです。
また、泳がせ釣りに使う仕掛けはある程度の長さや重量があるため、それに対応できる構造の竿であることも重要です。これらの理由から、初心者であっても泳がせ釣り専用、もしくはそれに近い仕様の竿を選ぶのが基本といえるでしょう。
竿選びのポイント
泳がせ釣り用の竿を選ぶ際には、いくつかの要素を意識する必要があります。ここでは特に重要な「号数(パワー)」「長さ」「ガイドの形状」の3点について詳しく解説します。
号数(竿のパワー)
泳がせ釣りで使われる竿は、「磯竿(いそざお)」が良く使われます。その磯竿には「号数」という表記があり、これが竿の硬さ=パワーを示します。
- 3号: 小型〜中型青物などを狙った泳がせ釣り向け。錘負荷:約5〜10号(18〜37g)
- 4号: 中型〜大型青物まで対応できるので、泳がせ釣りに使いやすい号数です。錘負荷:約10〜15号(37〜56g)
- 5号: 大物狙いが中心の場合には5号が良い。錘負荷:約12〜20号(45〜75g)
初心者の方には、扱いやすさと強さのバランスが取れた3号や4号がおすすめです。5号はパワーもありますが、自重があるので重く感じます。
長さ(操作性と遠投性を左右)
泳がせ釣りで使われる竿の長さは、3〜5m前後が一般的。短いほど操作性が良く、長いほど遠投しやすくなります。
- 3〜4m: 取り回しが良く扱いやすいので初心者向き。足場が安定した堤防などで使いやすい。
- 4〜5m: 遠投性に優れるので広範囲を探れる。長いので取り扱いには慣れが必要。中〜上級者に人気。
代用できるロッドは?
泳がせ釣り専用の竿が手元になくても、「代用できるロッド」はいくつか存在します。たとえば以下のような竿が、釣り場や仕掛けによっては十分に対応できます。
ショアジギングロッド
10ft前後と泳がせ釣りとしては比較的短め(2.7〜3.3m)ですが、十分なパワーがあり、大型青物の引きにも対応できます。堤防など足場が良い場所での泳がせ釣りには相性が良いです、もちろんジグを忍ばせておいて、ショアジギングを楽しめるのも良い点
シーバスロッド
基本的にMH以上のパワーであれば、胴付き仕掛けやエレベーター仕掛けを使った泳がせ釣りが可能です。ショアジギングロッドよりも短いので、遠投には向いてないです。足場の高い堤防などでは十分に使えるのが良いです。
代用時の注意点
代用竿を使う場合は、以下の点に注意しましょう。
- 遠投仕掛けには不向きな場合がある:短いロッドでは重めの仕掛けの飛距離が出ません。
- 竿のパワー不足に注意:魚が掛かっても浮かせられないことがあります。
- ラインや仕掛けとのバランスが大切:無理な組み合わせはトラブルの原因に。
おすすめの泳がせ釣り竿を紹介
最初の一本として安心して選べる泳がせ釣り竿を厳選してご紹介します。各製品の特徴や実際の使い勝手やインプレを交えて解説します。
プロマリン「防波堤のませ 4-450」
のませ釣り(泳がせ釣り)専用に設計されたエントリーモデル。グラス素材が多めでやや重さはありますが、そのぶん強度は抜群です。5000円台と非常にリーズナブルなので手に取りやすい、

初めて泳がせ釣りをするのにぴったりの1本。持ち重りはあるが、魚が掛かったときの安心感は高い。価格以上のパフォーマンスを感じられる。
ホリデー磯 4号 400PTS(シマノ)
シマノのエントリーモデル磯竿。カーボン素材の刷新により軽量化されており、操作性が高いのが特徴です。4mとやや短めなので取り回し重視の方におすすめ。



磯竿初心者でも扱いやすい軽さとしなりがあります。シマノらしい丁寧な作りで、ファイト中の安定感も◎。遠投には少し物足りないですが、近距離戦なら十分。
リバティクラブ磯風 4-45 遠投(ダイワ)
ダイワの信頼できるスタンダード磯竿。「ブレーディングX」による剛性と操作性のバランスが良く、4.5mの長さも初心者にとってちょうど良い。



ダイワらしい剛性感がしっかりしており、大型の青物でも十分勝負できた。クセのない調子なので、初めての1本にも最適
宇崎日新「プロスペック ISO KW 4号遠投 4505」
国産ながら高コスパを誇る磯竿メーカーの製品。SiCガイド採用で糸絡みが少なく、快適に釣りができる仕様です。



安いのに本当に良い作り竿。ガイドがしっかりしていてライントラブルが少ない。投げやすさも良好なのでおすすめです
泳がせ釣りの竿に最適なリールは、スピニングリールの4000〜6000番台がおすすめです。パワーと糸巻き量のバランスが良く、青物やヒラメなどの大物にも対応できます。ドラグ性能が高く、滑らかにラインが出るモデルを選ぶことで、魚とのやり取りも安心です。PEラインを使う場合は対応スプールであるかも確認しましょう。また、防波堤や堤防からの釣りなら遠投性を重視し、ハイギアよりノーマルギアまたはローギアが安定した巻き取りに向いています。
よくある質問Q&A:購入前の不安をまるっと解決
泳がせ釣りの竿に関する疑問をまとめました。購入前の参考にしていただければ幸いです。
- 竿の号数って結局どれが正解?
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迷ったら4号の竿がおすすめです。パワーと操作性のバランスが取れており、堤防からの泳がせ釣りで狙う青物にぴったりです。
- 竿の重さはどのくらい気にすべき?
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ずっと竿を手持ちする釣りではないので、短時間の釣行であれば多少重くても問題ありません。
- 予算はどれくらい見ておけばいい?
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初めての一本なら5,000〜10,000円前後で実用的な泳がせに対応した竿が手に入ります。コストを抑えつつ、安心して始められるモデルが揃っています。
- 初心者でも遠投タイプの竿を使って大丈夫?
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遠投タイプの磯竿はガイドが大きく、ラインの放出がスムーズなので扱いやすいです。ただし、長さがある分取り回しがやや難しく感じることも。最初は4.5m前後の遠投竿が扱いやすくおすすめです。
- 竿の継ぎ数は多い方がいい?
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継ぎ数が少ないほど強度や感度が高くなりますが、持ち運びには不便です。3〜4本継ぎの磯竿がバランス良くおすすめです。
- 磯竿とルアーロッドの違いは?
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磯竿は長くてしなやかでエサ釣りに向いています。ルアーロッドは短くて硬めで操作性に優れますが、泳がせ釣りにはやや不向きです。
まとめ


泳がせ釣りは、比較的シンプルな仕掛けでありながら、大物との豪快なやり取りが楽しめる非常に魅力的な釣法です。しかし、竿選びを間違えてしまうとその楽しさを十分に味わえなかったり、トラブルが続出して釣りが嫌になってしまうこともあります。
本記事で紹介したポイントやおすすめ竿を参考に、自分のスタイルや釣り場に合った1本を見つけていただければ、きっと初めての泳がせ釣りも安心して楽しめるはずです。
最初の1本は「安心して使える竿」を選び、経験を重ねることで自分なりの理想のロッドに出会う楽しみも広がっていきます。ぜひこの機会に、泳がせ釣りの世界へ一歩踏み出してみてください。


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