ロックフィッシュ(根魚)を狙うためのロッド選びは、単純なようで意外と奥が深い。
「適当に選んだら使いにくくて全然釣れなかった…」
「このポイントには、このロッドは長すぎた…」
こんな経験をしたことがあるアングラーもいるのではないでしょうか?
ロックフィッシュロッドは釣り場やターゲットの魚種によって適したモデルが大きく変わります。間違った選び方をすると、アタリを取りにくい、フッキングが決まらない、そして最悪の場合は魚をバラしてしまうこともあります。
今回は、ロックフィッシュロッド選びで後悔しないための「5つのチェックポイント」を解説していきます。この記事を読めば、あなたのスタイルに合った最適なロッドが見つかるはず!
長さの選び方を間違えるな!釣り場に合ったロッドを選ぼう
ロックフィッシュロッドを選ぶ際、まず考えるべきなのが「ロッドの長さ」。長さを間違えると、キャストのしやすさや操作性、取り回しの良さが大きく変わってきます。
基本的に、ロックフィッシュロッドの長さは6ft~8ft(約180cm~240cm)が一般的。この範囲で選ぶべきだが、釣り場ごとに適した長さがあるので、それを押さえておきましょう。
6ft台(ショートロッド)【取り回し重視】
- 適した釣り場:ボート・穴釣り・狭い堤防
- メリット
- 取り回しが良く、足場の狭い場所でも扱いやすい
- ボート釣りや穴釣りで的確にリグを落としやすい
- ピンポイントにリグを撃ち込みやすい
- デメリット
- 飛距離が出にくい
- 遠投が必要な釣りには不向き
7ft台(ミドルロッド)【万能型】
- 適した釣り場:堤防・磯・沖堤防・テトラ帯
- メリット
- 適度な飛距離と操作性を両立
- 堤防や磯、沖堤防など幅広い釣り場に対応できる
- 短すぎず長すぎず、初心者にも扱いやすい
- デメリット
- ボート釣りにはやや長く、穴釣りには向かない
8ft台(ロングロッド)【遠投・大型狙い】
- 適した釣り場:磯・沖堤防・サーフ
- メリット
- 遠投性能が高く、広範囲を探れる
- 大型ロックフィッシュとのファイトに有利
- デメリット
- 長くて取り回しが悪い
- 足場の悪い場所では扱いづらい
釣り場に応じて適切な長さを選ぶことが、ロックフィッシュロッド選びでの最初のチェックポイント
ロッドパワーは魚種とリグで決まる!適切な硬さの選び方
次に重要なのが「ロッドパワー(硬さ)」の選び方。ロックフィッシュロッドには、ML(ミディアムライト)からH(ヘビー)まで様々なパワークラスがあります。これを間違えると、アワセが決まらなかったり、魚をバラす原因になってしまいます
各パワーの特徴とおすすめの魚種
● ML(ミディアムライト)【軽量リグ向け】
- 適したターゲット:カサゴ・小型アイナメ・ソイ
- 適したリグ:3g~10gの軽量ジグヘッドやテキサスリグ
- メリット:ライトな操作感で繊細なアタリをとらえやすい
- デメリット:大型魚にはパワー不足
● M(ミディアム)【万能型】
- 適したターゲット:中型アイナメ・ソイ・ハタ類
- 適したリグ:7g~20gのテキサスリグ・フリーリグ
- メリット:汎用性が高く、様々なシチュエーションに対応可能
- デメリット:超重量級リグや大型魚には少しパワー不足
● MH(ミディアムヘビー)【大型魚・重量級リグ向け】
- 適したターゲット:大型アイナメ・大型ソイ・大型キジハタ・オオモンハタ
- 適したリグ:14g~28gのテキサスリグ・ジグヘッド・ビッグベイト
- メリット:フッキングが決まりやすく、大型魚とのやりとりも安心
- デメリット:小型魚狙いではオーバーパワーになることも
● H(ヘビー)【ハードロックフィッシュ専用】
- 適したターゲット:大型キジハタ・大型アイナメ・オオモンハタ・マハタ、小型クエ
- 適したリグ:20g~50gのビッグベイト・ヘビーテキサス・メタルジグ
- メリット:根に潜る大型魚を一気に引き剥がせるパワー
- デメリット:軽量リグの操作がしづらく、汎用性が低い
ロックフィッシュの釣りでは、ターゲットのサイズや使用するリグに応じて適切なロッドパワーを選ぶことが重要
感度と強度!ロックフィッシュロッドに使われるカーボン素材を理解しよう
ロックフィッシュロッドの素材は、基本的にカーボン製。根に潜む魚を狙う釣りなので釣り方としても感度が求められます。カーボンロッドは、軽量かつ感度が高いため、小さなアタリを逃さず、リグの操作も繊細に行える。しかし、同じカーボンロッドでも 「高弾性カーボン」 と 「低弾性カーボン」 では性能が異なるため、それぞれの特徴を押さえておこう。
高弾性カーボンと低弾性カーボンの違い
高弾性カーボン | 低弾性カーボン | |
---|---|---|
特徴 | 硬くて高感度 | しなやかで粘りがある |
感度 | 非常に高い(微細なアタリを感じ取れる) | 比較的低め |
強度 | 折れやすい(衝撃や負荷に弱い) | 強度が高い(粘りがあり折れにくい) |
適した釣り | 軽量リグを使った繊細なアプローチ | 大型ロックフィッシュ狙い |
おすすめのロッド | シマノ「ハードロッカー XR」 / ダイワ「HRF AGS」 | ダイワ「HRF KJ」 / アブガルシア「ロックスイーパー」 |
最近は高弾性カーボンと中・低弾性カーボンを適度に組み合わせた「コンポジット(複合)カーボンロッド」 もあります。この設計により、高感度と適度な強度のバランスを取りながら、ロックフィッシュの強烈な引きにも対応できる。
リールとのバランスも重要!ロッドとリールの相性チェック
ロッド選びでは、リールとの相性も非常に重要。ロックフィッシュの釣りではスピニングリールとベイトリールのどちらを使うかで、ロッドの性能が大きく変わる。
スピニングロッドとベイトロッドの選び方
スピニングロッド | ベイトロッド | |
---|---|---|
操作性 | 初心者向けで扱いやすい | 慣れが必要だが手返しが良い |
キャスト性能 | 軽量リグの遠投に向いている | 重量級リグを正確にキャストできる |
パワー | 柔軟性があり、バラしにくい | 瞬発力があり、大型魚の引きを止めやすい |
適したターゲット | アイナメ・ソイ・カサゴなどの中型魚 | キジハタ・クエ・オオモンハタなどの大型魚 |
適したリグ | 3g~20gのテキサスリグ・ジグヘッド | 14g~50gのヘビーテキサス・ビッグベイト |
スピニングタックルが向いているアングラー
- 軽量リグを使うことが多い
- 遠投して広範囲を探る釣りをしたい
- 初心者で扱いやすいタックルを求めている
ベイトタックルが向いているアングラー
- 重量級リグを使用し、ピンポイントに撃ち込む釣りをする
- 手返し重視でテンポ良く探っていきたい
- 大型ロックフィッシュと真っ向勝負したい
タックルバランスを意識しよう
ロッドとリールのバランスが悪いと、操作性が極端に悪くなり、長時間の釣りで疲れやすくなる。特に以下のポイントは意識しよう。
- ロッドのパワーとリールの剛性を合わせる
- ML~Mクラスのロッドなら「2500番~3000番のスピニングリール」
- MH~Hクラスのロッドなら「4000番クラスのスピニング or ベイトリール」
- ラインとの相性も考慮する
- 軽量リグ主体ならPEライン+リーダー(0.8号~1.5号)
- 重量級リグならフロロカーボン(14lb~20lb)
ロッド選びをする際には、「どんなリールと組み合わせるか」も意識することが大切

コスパ最強とハイエンドモデル!価格と性能のバランスを考えよう
ロックフィッシュロッドは、安いものなら1万円前後、高級モデルでは5万円以上するものもある。この価格差は単に「ブランド」だけの違いではなく、使用される素材や設計の違いによるもの。では、どの価格帯のロッドを選ぶべきなのか?
エントリーモデル(1~1.5万円)
おすすめの人:初心者・まずは試してみたい人
- 特徴
- カーボン含有率が低めで、やや重い
- 感度が低く、アタリが取りにくいこともある
- ガイドの質が低く、ラインの滑りが悪いことがある
- 代表的なモデル
- ダイワ ハードロックX
- シマノ ハードロッカーBB
選ぶポイント
- とりあえずロックフィッシュを始めたいならOK
- 本格的にやるなら、1.5万円以上のモデルを検討するのがベター
ミドルクラス(1.5万円~3万円)
おすすめの人:ロックフィッシュを本格的に楽しみたい人
- 特徴
- カーボン含有率が高く、軽量で感度が良い
- 強度と操作性のバランスが取れている
- ガイドやグリップの質が高く、長時間の釣りでも疲れにくい
- 代表的なモデル
- ダイワ HRFシリーズ(約18,000円~)
- シマノ ハードロッカーXR(約25,000円~)
選ぶポイント
- コスパと性能のバランスが良く、長く使えるモデルが多い
- より細かい釣りをしたいなら、このクラスが最適
ハイエンドモデル(3万円以上)
おすすめの人:ロックフィッシュに本気でこだわりたい人
- 特徴
- 超軽量で、圧倒的な感度を誇る
- 超高感度カーボンブランクスで、微細なアタリも逃さない
- ハイエンドガイド・リールシート採用でキャスト精度が高い
- 代表的なモデル
- ダイワ HRF AGS(約30,000円~)
- シマノ ハードロッカーエクスチューン(約50,000円~)
選ぶポイント
- 感度や軽さにこだわりたいならこのクラス
- 大型ロックフィッシュ狙いで、強度や操作性を重視する人向け
失敗しないロックフィッシュロッド選びのポイントおさらい
ロックフィッシュロッド選びには、さまざまな要素を考慮する必要があるが、最も重要なポイントをまとめると以下の5つになる。
- 長さを釣り場に合わせる
- 堤防・磯・沖堤防なら7ft前後がベスト
- ボート・穴釣りなら6ft以下のショートロッド
- ロッドパワーはターゲットとリグの重量に合わせる
- 小型~中型(アイナメ・ソイ):ML~Mクラス
- 大型(キジハタ・マハタ):MH~Hクラス
- リールとのバランスを意識する
- 軽量リグならスピニング
- 重量級リグならベイトリール
- 価格帯ごとの特徴を理解し、予算に応じて選ぶ
- 初心者は1.5万円前後のモデルから始めるのがおすすめ
- 長く使いたいなら、2万円以上のミドルクラスが狙い目
ロックフィッシュは、魚の強い引きを楽しめる魅力的な釣りだ。しかし、ロッド選びを間違えるとその楽しさが半減してしまう。今回のポイントを参考に、自分の釣りスタイルに合った最適なロッドを選ぼう!

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